厚生労働省が発表した令和6年「国民生活基礎調査」によれば、18歳未満の子どもがいる世帯において、母親が「仕事あり」と答えた割合は80.9％に達し、過去最高となりました。働く母親が社会の中でごく一般的な存在になっていることが明らかです。
企業に求められる育児支援の取り組み
こうした流れを受け、企業には育児と仕事の両立を支援するための環境整備が強く求められています。具体的には以下のような制度の導入や活用が挙げられます。
- 時短勤務・フレックスタイム・テレワークなどの柔軟な勤務形態
- 子の看護休暇や育児支援手当といった社内制度
- 男性の育児休業取得推進
さらに、これらの取り組みに対し、国は助成金や認定制度を設けて後押ししています。
令和7年10月からの法改正
2025年10月1日からは、改正育児・介護休業法により、育児期の柔軟な働き方に関する措置の実施が事業主の義務となります。これは単なる法令対応にとどまらず、従業員のライフステージに寄り添った制度設計を通じて、職場への定着や生産性の向上といった効果も期待されます。
若年層の意識と企業の競争力
近年では、「夫婦で育児を担う」意識が社会に浸透し、若年層が企業選びの際に育児支援制度の有無を重視する傾向が強まっています。労働人口の減少が続く中、こうした人事施策を真剣に考えることは、企業の持続的成長の鍵を握るといえるでしょう。
まとめ
働く母親の割合が過去最高を記録する中、企業には育児との両立を支援する実効性のある施策がより一層強く求められています。10月からは法改正も控えており、早めの対応が重要です。制度整備は、従業員の安心感や職場への定着、生産性の向上にもつながり、企業にとっても大きなメリットとなるでしょう。