今回は、フリーランスとの契約に関わる最新の行政動向についてお知らせいたします。公正取引委員会は、令和6年度のフリーランス新法の運用状況を発表しました。その結果、違反の疑いで54社に行政指導が行われ、137件の新たな違反事案の調査が開始されたと報告されています。
中小企業も「無意識の違反」に要注意
フリーランス新法では、発注・報酬・ハラスメント防止などに関するルールが定められており、以下のような事例が特に指導対象となっています。
- 報酬の支払い遅延や契約の不明確さ
- 一方的な業務内容の変更やキャンセル
- ハラスメント対策の不備
- 契約事項の未提示(書面・電子問わず)
経営者が確認すべきポイント
- フリーランスに依頼している業務の有無
- 契約の明文化と締結状況
- 支払条件や責任範囲に不備がないか
まとめ
フリーランスとの契約に関する法的なルールは、年々厳格になっています。特に中小企業においては、取引慣行の延長で対応してしまい、無意識のうちに違反に該当してしまうケースも少なくありません。今後、行政による監視や指導はさらに強化される可能性があり、対応を怠れば企業名の公表といった社会的リスクにもつながります。今一度、自社の契約実務を見直し、フリーランスとの健全な関係構築に努めることが、企業の信頼維持に欠かせない時代となっています。